かーたんゆあのドラクエ10、アストルティアの思い出

ドラクエ10のブログ、アストルティア生活を満喫するかーたんゆあの日常

エピソード31-7 遥かなる未来への旅路 Ver.4.5

俺がキュロノスの傀儡だった頃はこの先が時見の神殿だったはずだが。 奴のことだ。俺達を妨害するため、神殿にも手を加えているだろうな。

神殿へ向かうエレベーターに乗り込む。

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エテーネの村でお前を拾ったご婦人は知り合いの夫婦にお前を預けると言っていたな。 どんな人達なんだ?今も健在なのか?

かーたんゆあはパドレにエテーネの村の両親の事を話した。

立派な方に育ててもらったのだな。 今のお前を見ていればよく分かる。 その方達には感謝してもしきれない。

だが本音を言えば、成長していくお前のそばでお前と同じ時間を過ごしたかった。 マローネとて同じ思いだろう。 そうだ、マローネはお前が自分の息子だと知っているのか?

首を横に振るかーたんゆあ。

全て終わったら一緒にマローネに会いに行こう。 行方不明の夫が成長した娘を連れて帰ってきたとあれば、あいつもさぞやびっくりするだろうな。

エレベーターが時見の神殿に到着した。

エテーネ王国とキュロノスの因縁を断つ。 それが王族として生まれた者の義務だ。

兄上ドミネウスは時見に依存したがためにキュロノスのいいように利用された。 俺は俺でキュロノスの傀儡と成り果て、奴の企みに手を貸してしまった。 そしてこの手で兄上を・・ 決してあがなうことの出来ない罪だ。

だからこそ俺はこの身に代えてでもキュロノスを討たねばならない。 お前もまた自らの運命と世界の未来を切り開くためこの戦いに身を投じたのだろう? 巻き込みたくないなどと思うのは、それこそ親の身勝手だな。

全てを俺の手で終わらせるつもりだったが、事ここに至っては是非もない。 情けない父だが手伝ってくれ。 かーたんゆあ、お前のチカラが必要だ。

かーたんゆあとパドレは最奥にある時見の祭壇に向かった。 時見の箱が壊れて空になっている。

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時見の箱が・・・

天井に終焉の繭がある。

ならばキュロノスはあの中に!

「来たか、時の異分子よ。」

「我は究極の肉体を手に入れる。」

「そして世に蔓延る不完全な生命体を跡形も無く一掃してくれよう。」

パドレが剣を構える。

させるか!生まれる前に果てるがいい!

終焉の繭に斬撃を浴びせると、中から新たな肉体を手に入れたキュロノスが生まれ落ちた。

「そんな攻撃では傷一つつかぬな。」

「この肉体ならば我が復讐も果たせよう。」

「かつて際限なく繰り返された時見の果て。」

「我は貴様ら人間どもの醜悪さ、邪悪さを幾度となく目の当たりにしてきた。」

「なんとも不完全かつ惰弱な存在に使役させられてきたものよ。」

「その絶望の念が我に悟りを与えた。」

「不完全な生物どもは世界を蝕み雑音を生み出す害悪に過ぎぬ。」

「故に絶滅させなければなるまいと。」

「代々の王を我の意のままに操るのは容易かったぞ。」

「時見の託宣でほんの少し不安を植え付けてやれば充分だった。」

「そして我の望みを叶えるのに不可欠な時渡りの使い手―パドレ。」

「お前を堕とすため、あの俗物―ドミネウスを利用せてもらった。」

「かくして我は究極へと至った。」

「あとは世界中の不完全な生物を一掃し、完全なる生命として我のみが存在すれば良い。」

「時の異分子よ。その命を差し出し、我の完全性を示すための礎となれ。」

黙れ!呪われた異形の怪物め! お前などにこの世界の未来を好きにはさせぬ! いくぞ!かーたんゆあ!

かーたんゆあとパドレは襲いかかってくる時獄獣キュロノスを倒した。

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世界にとって不要なのは貴様の方だったようだな。 かーたんゆあ、悲願を達成出来たのもお前の協力あってこそだ。礼を言う。

かーたんゆあ!何かがおかしいキュ! キュロノスは確かに生命活動を停止してるキュ。 でもそれなのに存在の消滅が認められないキュ。

その時、時獄獣キュロノスだけの時間が巻き戻り、終焉の繭が再び現れた。

羽化する前の状態に時間を戻したんだキュ。

終焉の繭からキュロノスの声が聞こえてくる。

「教えてやろう、不完全な生物達よ。」

「我の完全性とは敗北の事実さえ覆して何度でもやり直せる事にある。」

「そしてその度に我はより強く、より究極へと近づいていくのだ。」

「時渡りのチカラを持つお前達は、我を高みへと押し上げる良き道具であった。」

「だがそれももう終わりだ。」

「時の牢獄に未来永劫囚われるがよい。」

「アストルティアの文明を破壊し尽くし、一切の不完全が排除された雑音無き清浄なる世界を創造しよう。」

「この創造をもって我は時間と空間を支配する神となる。」

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キュロノスが放った術により、時の牢獄に囚われてしまったかーたんゆあとパドレ。

ここは時間が圧縮された空間キュ。 外の世界と時間の流れる速さが違うキュ。 長居すると外の世界ではどんどん時間が経ってしまうキュよ。

キュレクスの知識によれば圧縮された時間に時渡りのチカラで介入し、時空の裂け目を作れば脱出できるキュ。

そういう事なら早速その裂け目の作り方を教えてくれ。

キュルルがパドレの頭に情報を流し込む。

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・・かーたんゆあに教えるのは不要だ。この役は俺が引き受ける。

そう言えばかーたんゆあ。まだお前から一度も呼んでもらっていなかったな。 父さんと呼んでくれないか?

かーたんゆあはパドレの事を「父さん」と呼んだ。

嬉しいよ、かーたんゆあ。 俺の願いが一つ叶った。 いつの日か我が子に父さんと呼んでもらう。 乳飲み子だったお前と過ごしていた頃、どれほど望んでやまなかったことか。

パドレは時渡りのチカラを宿した剣で空間に裂け目を作った。 その裂け目に時渡りのチカラを流し続けるパドレ。

先に行け!

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かーたんゆあはその裂け目を通って時の牢獄を脱出した。 しかしパドレがなかなか出てこない。

かーたんゆあ、キュロノスを倒してくれ。 そしてマローネの事を頼む!

裂け目が閉じてしまった。

時空の裂け目は開いた側の空間から常に時渡りのチカラを放出し続けないと維持することが出来ないキュ。

つまり時の牢獄から脱出するにはどちらかが残るしかなかったキュ。 それを先に知ったパドレは即座にかーたんゆあを行かせることを選んだキュね。

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さすがの決断力と言わざるを得ないキュ。 キュロノスの波動を現代に感じるキュ。 パドレの意志を継げるのはかーたんゆあだけなんだキュ。 キュロノスを倒しに行こうキュ。

現代の世界に戻ると、そこはすでに破壊し尽くされた世界だった。

キュキュキュ!これは一体・・

間違いなく現代に・・かーたんゆあの時代に時渡りしたはずキュ。 ・・全てが死滅してるキュ。 誰もいない。生命の息吹をまったく感じ取れないキュ。 生きているのは僕とかーたんゆあだけ。

もしかしてここは僕らが回避しようとしてきた滅びの未来キュ? 僕らが時の牢獄で過ごしたのはたった数分だったけど、現実の世界では数ヶ月も経過していたみたいキュ。 その間にキュロノスは宣言通りアストルティアを滅ぼしてしまったキュ。

上空にある終焉の繭からキュロノスの声が聞こえる。

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「不快な雑音を感知。」

「・・時の異分子か。」

「我を討たんがために追ってくるとは凄まじいまでの執念よ。」

「だが全てが終わった後に現れるなどまさに不完全の象徴とも言うべき愚行。」

「我が世界を完全なものとするため排除する。」

終焉の繭から時元神キュロノスが生まれ落ちた。

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「我は全ての時間と空間を統べる者。」

「唯一にして絶対なる永劫の支配者。」

「神の座に至った我に抗う雑音どもは全て等しく無力であった。」

かーたんゆあは襲いかかってくる時元神キュロノスを倒した。

しかし再び時間を巻き戻そうとするキュロノス。

キュキュキュ! また時を操って復活しようとしてるキュ! 僕が介入してキュロノスの時間操作を妨害するキュ!

術を放ちキュロノスの時間止めるキュルル。

あまりもちそうにないキュ・・ 今のうちにキュロノスにトドメを・・ 時渡りのチカラを凝集した刃でならキュロノスの核を・・チカラの源を破壊できるキュ! 目の前に刃を作るつもりで時渡りのチカラを集中させるキュ! かーたんゆあならきっと出来るキュ!

かーたんゆあは時渡りのチカラを凝集して刃を作った。

赤く光ってるところを貫くキュ! その奥に奴のチカラの源があるキュ!

かーたんゆあは時渡りのチカラを凝集した刃でキュロノスの核を破壊した。

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キュロノスが苦しむ。

「おのれ・・時の異分子・・」

「おのれ・・エテーネ人・・」

「だがこの滅びは絶対不変の終着点。」

「幾度時を渡り未来を変えるべく小細工を重ねたところで叶わぬと知れ。」

「未来永劫アストルティアに再び生命が満ちることは無いであろう!」

 

キュロノスは消滅した。 消滅したあとには「戦渦のタネ」が残されていた。

かーたんゆあは戦渦の種を手に入れた。

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残念だけどキュロノスの言ってた通り、滅びの未来はすでに確定してしまったキュ。 これから過去にさかのぼってやり直そうとしても時間の修正力が働いて必ず世界は滅びてしまうはずキュ。 ずっと未来を変えるために戦ってきたけど、僕達は失敗したんだキュ。 かーたんゆあはこれからどうしたいキュ? まだ人のいる時代に戻ってみるキュ?

・・キュキュ! 大規模な時渡りの予兆キュ! 巨大な何かが迫っているキュ!

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突然、かーたんゆあの前に島が出現した。 そしてキュロノスが宿していた時渡りのチカラが島に引き寄せられる。

キュロノスが宿していた時渡りのチカラが、たった今現れたばかりの島に引き寄せられているキュ。 僕らも行って確かめてみるキュ!

出現した島に向かうと、そこは王都キィンベルがある大エテーネ島だった。

これは・・5000年の時を超えてエテーネ王国が島ごと現代に現れたキュ? こんなとてつもないこと、一体誰がどうやって・・

覚えてるキュ?5000年前のマデ神殿でもう一人のメレアーデが時見の泉に入っていったのを。 こんな大それた事をやってのけるのは、あのメレアーデだけキュ。

時見の泉にはキュレクスがアストルティアに渡って来るために作った航界船があったはずキュ。 航界船には時渡りのチカラを動力にして周囲の空間ごと完全に時渡りさせる驚異のテクノロジーが備わっているキュ。 あの船の持つ機能と永久時環に残っていた時渡りのチカラを使って、いずれ隕石に滅ぼされるはずの故郷を救おうとしたキュね。

これだけのことをやったからには身体にも相当な負担がかかってるはずキュ。 今も無事かどうか。 きっとメレアーデは自分が平和に暮らしていた5000年後の世界を世界を思い浮かべて王国を時渡りさせたキュル。

でもこの滅んでしまった世界ではメレアーデも時渡りして来た人達も誰も浮かばれないキュ。

キュロノスが宿していた時渡りのチカラが王都キィンベルの中央広場にある永久時環にどんどん吸収されていく。

キュロノスが宿していた時渡りのチカラがみるみる吸収されていくキュ。 これだけの量があればもしかしたら・・ ちょっと永久時環を確かめてくるキュ。

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永久時環の前に向かうかーたんゆあとキュルル。

僕達は幸運に恵まれてるっキュ。 二つもの奇跡が同時に起こったキュ。

1つ目の奇跡は僕達の倒したキュロノスが莫大な量の時渡りのチカラを残していったことキュ。

二つ目は5000年前の世界で時見の泉にこもったメレアーデがエテーネ王国を現代に時渡りさせたことキュ。

この二つの奇跡によって永久時環がキュロノスの時渡りのチカラをみるみる吸収して満タンになったんだキュ。 これが何を意味するかというと、満タンの時のみに使える永久時環の究極の秘技―因果律操作が可能ってことキュ。

かーたんゆあ、心して聞くキュよ。 因果律操作とは僕らに倒されたキュロノスの時間のみをその時点で固定してそれ以外のあらゆる物の時間を滅亡前に戻せるという神業だキュ。 つまりキュロノスの存在を消滅させたままこの世界を再生できるってことキュよ。 ただし因果律操作は極めて難易度の高い危険な賭けであることは伝えておくキュ。 失敗するとキュロノスが復活して全てはふりだしに戻ってしまうキュよ。

無理して危ない橋を渡るよりも、キュロノスを倒したこの世界でのんびり暮らす選択もあるキュ。 よく考えて欲しいキュ。

世界を再生させるか、今のこの世界で生きていくか。 かーたんゆあはどちらを望むキュ?

かーたんゆあは世界を再生させる選択をした。

世界を再生させる。それがかーたんゆあの選択キュね。 大事なことだから最終的な意志を確認したいキュ。 危険を承知の上で世界を再生させると決断したキュね?

かーたんゆあは頷いた。

かーたんゆあの覚悟は伝わったキュ。 キュロノスの死という事象を維持したまま世界の時間を戻すのはかーたんゆあが考えている以上に繊細な作業キュよ。 もししくじったら、ただキュロノスを復活させただけってことになりかねないキュ。 けれどアストルティアを元通りにしたいというかーたんゆあの意志は固いキュね。

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かーたんゆあがそう望むなら、ここまで頑張ってくれたご褒美に僕が一肌脱いでやらないでもないキュ。

上手くいったらお礼に特大チョコレートをプレゼントして欲しいキュ。 成功を祈って見守ってて欲しいキュ。

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キュルルは永久時環で因果律操作を始めた。 王都キィンベルの時間が止まり、キュルルがなおも操作を続ける。

因果律操作は成功し、時間が止まっていた王都キィンベルの時間が動き出した。

 

空は青々としていて世界の滅亡の時ではない。 世界の滅亡を感じさせるあの空は無くなった。

 

永久時環に貯まっていたキュロノスの時渡りのチカラは空っぽになっている。

 

キュルルの身体は半透明になり、力なくかーたんゆあの手の上に落ちてきた。

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キュロノスの存在は感知できないキュ。 因果律操作は成功したキュ。 これでアストルティアは元通り。 でも今回ばかりはヘロヘロキュ。

キュルルの身体がどんどん透明になっていく。

キュロノスを倒すのにかなり消耗して、それに加えて因果律操作まで・・ さすがにちょっと無理をしすぎたキュル。

僕はキュレクスやキュロノスみたいに成熟してないから・・ 大きなチカラを使うのは存在への負担が大きいキュ。 今回は身体を維持するチカラまで使い切ってしまったみたいキュ。

どうやらここでお別れキュ。 でも悲しむ必要はまったくないキュ。 時の妖精は、肉体が消滅すると存在まで失ってしまう君達とは格が違うキュ。 もうこんな風に話せなくなるけれど、僕は世界の一部となってこれからもかーたんゆあを見守っていくキュ。

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君は僕の友達キュ。 友達の為にやれることがあるっていうのはちょっと誇らしい気分キュ。 楽しい旅路だったキュ・・・かーたんゆあ・・・

マデ島の時見の泉でメレアーデがかーたんゆあが来るのを待っているキュ。 迎えに行ってやるといいキュ・・・

キュルルの身体は消えてしまった。

 

平和になった現代のアストルティアに王都キィンベルとそこに住むエテーネ王国の人達がそのまま残っている。

 

かーたんゆあは飛竜に乗って現代のマデ島に向かった。

 

マデ島でシスターをやっているマザー・リオーネに話を聞く。

「かつてエテーネという名の王国がマデ島と地続きだった大エテーネ島に存在していた存在していたと文献には記されています。」

「出現したあの島は位置的に大エテーネ島と一致しているのですが・・」

「はるか昔、大エテーネ島は一夜にして水没してしまいエテーネ王国は滅んだはず。」 「だとするとあの謎の島は一体・・」

 

かーたんゆあは現代のマデ島の地下にある時見の泉に向かった。

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かーたんゆあが時見の泉の扉に触れると、招き入れるように扉が開かれた。 中に入ると、時見の泉がある部屋だけの時間が止まっていた。 かーたんゆあが泉に足を踏み入れると、止まっていた時間が動き出す。 泉の中央にあるキュレクスがアストルティアに渡って来るために作った航界船に触れると、中からメレアーデが出てきた。

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メレアーデは時渡りのチカラを使い切ってしまったようで、髪が白髪になっている。 あ・・かーたんゆあ。迎えに来てくれたのね。 またあなたに会えるなんて夢のよう。 約束を守ってくれてありがとう。

私の時渡りのチカラは尽き果ててしまったようね。 けれどやり遂げたんだわ。 あなたが迎えに来てくれたということは、エテーネ王国の時渡りに成功した。 ここはあなたが暮らす5000年後なの? 良かった。本当に良かった。

私、エテーネを救えたんだわ。 ここで別れた時のキュルルの言葉―必ずキュロノスを倒すって言ってくれたでしょ。 二人を信じてこの装置で王都の永久時環に働きかけて王国を時渡りさせたの。 過去の私が永久時環を起動させた後にね。 その代わり私は5000年前のマデ神殿に一人取り残されてしまったわ。 もしマデ神殿が無くなっていたら、私も無事ではいられなかったでしょうね。

ねえ、叔父様とキュルルは?

かーたんゆあは今までに起きた事を話した。

こんな事って・・ もう、二人に会えないなんて・・ 私、とても信じられないわ。

時の停止した5000年の眠りの中で、そんなはずないのにずっと夢を見ていた気がするの。 平和になったこの時代で、叔父様、叔母様、クオードやファラス・・みんなで幸せに暮らしていく夢を。

かーたんゆあ、ここを出ましょう。 ちゃんとエテーネを救えたかどうか自分の目で確かめたいわ。

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マデ島の現在の様子を見て驚くメレアーデ。

見る影もない・・ ほとんど沈んでしまったのね。

メレアーデは海の向こうに大エテーネ島を見つけた。

あれは・・キィンベル! 良かった。絶望の未来から大勢の命を救えたんだわ。 だけど、あの懐かしい空の色はもう見られない。 エテーネ王宮も失われたまま。

メレアーデが腕につけていた花のリストレットが散ってしまう。

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そしてメレアーデは涙を流し、髪につけていたリボンをほどいた。

この時代では存在しないはずのエテーネ王国を復活させてしまった。 私は歴史を歪めてしまったのね。 でも迫り来る滅びに立ち向かい、必死に生き抜こうとすることが間違いだと思いたくないわ。

クオード、誓うわ。 あなたが命を賭けて守り抜いたエテーネ王国が、この時代の人々に受け入れてもらえるように尽くすと。 それが私達の選んだ道がより良い未来へ繋がったという何よりの証だから。 そうよね。

メレアーデは涙を拭い、王都キィンベルへと向かった。 その後かーたんゆあは現代の王都キィンベルにある王国軍司令部軍団長室にいるメレアーデに会いに行った。

ふふふ。ここに私がいてびっくりした?エテーネ王国を頼むってクオードに託されたことを覚えてるでしょ?あの時の約束を守らないとね。

と言ってもあの子の後を継いで女王になる気はないわ。今の私は国家のまとめ役といったところかしら。クオードのような手腕はふるえないけれど、国民一人一人と手を取り合ってこの国を良い方向に導いていくわ。

昔クオードがよく言っていたの。全ての民が指針書から解放されればエテーネはさらに発展するって。ここに来るまで長い道のりだった。もし良ければあなたには私の旅路の全てを聞いて欲しいの。

かーたんゆあ。あなたにとって私と離れていた期間は短いものだろうけど、私からすると結構な年月だったのよ。

気を失った叔母様を連れて時獄の迷宮を脱出したところで別れたのよね。あの後まずエテーネ王国に戻ったわ。叔母様をかくまうのにうってつけな場所はどこかって考えた時に真っ先に思い浮かんだのがパドレア邸だったから。でもあそこは異型獣に壊されて荒れ放題のままになっていたでしょ?そこで建物の修繕をしつつ、叔母様のお世話を任せるためのメイドや使用人を集めたの。

本音を言うと私がつきっきりで叔母様のお世話をしたかったのだけど、私にはやるべき事があったから。どうにか意識を取り戻すまで回復した叔母様をパドレア邸に残し、私は使命を果たすために時渡りをしたわ。クオードから引き継いだエテーネルキューブでね。

時獄の迷宮を進む中で知り得た自分の成すべき事をなぞるために。最初の行き先は堕ちる前のドミネウス邸よ。時期は最初に主人公と出会う半年前くらいかしら。屋敷には当然過去の自分がいるから私は猫の姿になって潜り込み、ペットとして自分に飼われたの。自分に飼われてみてつくづく思ったわ。猫ちゃんをあまりかまいすぎるのも良くないわね。

やがてあなたが現れて記憶の赤結晶を託したわ。その後すぐ父が王位を継ぎ、みんなでエテーネ王宮へと移ったの。王宮ではクオードと共に現れたあなたが記憶の赤結晶を過去の自分に手渡すのをそばで私も眺めていたのよ。

その先はあなたを黄金刑から救うために命の石を届けたり、救出の段取りを記した手紙をファラスに届けたりと忙しかったわね。

王宮が消える直前、適当な理由をつけて使用人や兵士を王都へ逃がそうとしたのだけど、救えたのはほんの僅かだった。エテーネ王宮の消失を見届けた後、私はこの時代から1000年程前のグランゼドーラ王国へと向かったわ。

神儀の護堂に閉じ込められたあなたとカミルさんを救うためアルヴァンさんを連れ出したり、見張りの塔で待つシュトルケさんのもとへあなたを導いたりもしたっけ。あの時は走り通しで大変だったわね。

その後私は最後の役目を果たすため、また5000年前のエテーネに戻ったわ。マデ神殿の時見の泉の前で会ったのを覚えてる?あの直後、泉の中にあるキュレクスさんの航界船に乗り込んだの。歪められた運命によって生じる滅びの災厄からエテーネ王国を救うには、島を丸ごと安全な時代に飛ばすしかないと考えて。私は船の機能を使い、あなたによってキュロノスが倒された未来を思い浮かべながら大エテーネ島を時渡りさせたわ。

そしてマデ島だけが5000年前に残り、私は時見の泉の時間を凍結させて長い長い眠りについたの。時渡りのチカラの無い者が時渡りをすると呪いにかかるという言い伝えがあるわ。

時渡りの呪いによりどんな症状が出るかは千差万別。言い伝えが正しければこの国の民は全て呪いを受けたことになる。その危険性は理解していたけれど、今エテーネ王国の時渡りによって呪われた人は一人もいないはずよ。時渡りの呪い―それは時間を移動したことで生じる運命の歪み。時渡りのチカラだけがその歪みの影響から身を守ってくれる。今回の時渡りは永久時環に集められた膨大な時渡りのチカラで島全体を覆うことでなされたから大丈夫という訳。

ただ呪いとは無関係だけど、人の身で航界船を使ったことで私の時渡りのチカラは完全に無くなってしまったみたい。今回ばかりはどれだけハツラツ豆を食べても回復しなさそう。まあ、あれだけの事をやったのだから命があるだけマシかもね。

かつてクオードが思い描いた未来を実現させるためチカラを尽くすわ。あの子は誰よりもこの国を愛していた。それだけに故郷が滅亡したという事実に耐えられなかったのでしょうね。

強すぎる思いが非道な行いに走らせたけど、もしクオードがいなければエテーネ王国は確実に滅んでいたと思う。この国に今日があるのはあの子のおかげ。私はクオードの罪を赦した者の責任としてあの子の意志を引き継ぐわ。

かーたんゆあと話せていい息抜きになったわ。これからもいつでも会いに来て。

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 こちらの文章は

ドラゴンクエストX(DQ10)ネタバレストーリーまとめ 様より

お借りさせていただきました。